住宅の系譜/アトリエワン

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以前からアトリエワンの仕事は良いなあと思いながら、どう評価したら良いか言葉になりにくい不思議な存在でしたが、それは多分、ちょっと違うスタンスでものをつくっているからだと思います。つまり、というか上手く言い表せないけど、建築を設計するときにはもちろん環境だ歴史だと取り囲む様々なものを参照しながらやっているようで、実はどこかでお茶を濁して断絶させているというか、一方のアトリエワンの設計は、そんな環境や歴史などと終始共鳴しながらつくっている。言い換えると前者はどこか神の視点(上から、決定するというような)後者は動物で言えば細胞やパーツレベルで環境と共鳴することから始めて「系譜」と彼らが言う歴史的なスタイル(動物で喩えればは虫類なのか魚類なのかみたいな)を参照して総体を作り上げてゆく、という違いなのかと思います。

だから、神の発想ではできないような、奇妙な形が生まれるのだけど、でも環境に対して妥当なパーツの積み上げと「系譜」という有る程度のルールによって破綻なく良い建築ができています、が、最後はやっぱり塚本、貝島お二人の能力に依っているから、簡単に真似ができるものではないでしょうねえ。

インタビューのタイトル「奇妙なほどに正統な」というのが良く現していると思いますが、その正統さというのは、環境や歴史などと不断の対話を続けてきているからこそ得られるものだし、奇妙に見えても決して思いつきではないからこそ、時代の流行(今という時代にももちろんある)から超然としてられるのかなと、羨ましくも思います。

表現の巾を広げなければいけない、という発想ではなく、結果として表現というのは多様になるはずだ、というような多様さは大切だと思うから、やっぱりアトリエワンの仕事が気になるのだと思います。
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by Moriyasu_Hase | 2012-04-09 14:13 | けんちくーよむ
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