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学問のすゝめ

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お恥ずかしながらこの歳になって初めてきちんと読みました。1870年すぎに福沢諭吉40歳前後に書かれたものです。
福沢はその前ごろに遣欧使節に同行したりしてシナやインドの人々が恥ずところなく英国人に服従しているのを見て開国後の日本人の気力の低さに嘆き、諦めかけていたようですが、1867年に大政奉還があり明治維新が進行してゆくさなかで、思ったより良い方向に勢いよく進んで行くのを見て,ある種国民を煽るつもりで少し調子に乗って書いたもののようです。

有名な始まり「天は人の上に、、」は読み進めれば分かるのだけど、要するには元来みんな平等なんだけど、貧富、貴賎が結果的に生まれてしまうのは努力をしなかったからであって、学問をきちんとすれば皆平等に強くなれるのだから、もっと学問をしなきゃダメだし、きちんとやって行けば欧米の強国にへつらう必要なんかないのだ。そしてその学問というのは国や国民を強くしてくれるという意味での合理的な西欧のもので、国民は権利を行使した上で国や法にきちんと従うべきであり、忠臣蔵の話なんていうのは法もクソもない報復合戦だから美化してはダメだ、なんて論調で解説にも、物議を醸さないようなものは書いても意味がないと思っていたようで、本当にそう思うなあ。

象徴的なのが「信の世界に偽詐多く、疑の世界に真理多し」かな。
つまり儒教や封建制なんて理屈は立たぬが信じなさいという世界は我々を不自由にしかしないけれど、地動説や宗教改革や独立運動など、真理に導くものは疑いから始まるということで、その物差しで様々な事象を論じるのだけど、結局、学問とは役に立たなければ学問ではない、つまり形式的な学者的なものには百害あって一利無しというのは、全くその通りだけど、まあ儒教や封建制に全く意味がないようにまで放言しているのは、やはりまだボーッとしている国民を覚醒させ煽るための方便でもあったんだろうなとは思います。

そんな意味では現代もボーッとしてません??だからこれ読んでみると良いなと思いました。
by Moriyasu_Hase | 2014-01-02 16:04 | みるーよむーかんがえる
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