だいぶ前に見た事はありましたが、少し前に会話に出て来ていて、また見てみました。 1982年に公開ですから、僕がまだ小学生の頃のハリソンフォードです。 未来の都市像というものは普通とても美しく描かれていた中で、新しいタイプの未来のイメージ、とても雑然と、混沌とした(なぜか日本の要素がやたら出てくる)を、丹念に描いています。 建築の世界では、結構話題に出たりした映画でもありますが、本来建築家というのは、未来像を描きたがるもので、巨匠と呼ばれるひとたちは、仕事にはならずともそんな未来都市像を描いてきました。(ただ、最近は都市というものが複雑化しすぎたためか、都市像を描くことに無力感が漂って、余り語られなくなてしまっています) もちろん、映画というのも、何かしらのメッセージを強く込めてつくられているわけですが、本質的なメッセージをもつものほど、直接的でなく、暗示するような、逆に言うと分かりにくいメッセージとして込められているように思います。一方でハリウッド映画みたいに、エンターテイメント的なものは、直接的すぎて楽しいですが、本質のかけらもないような感じですね。 このブレードランナーも、「ET」と同時期だった影響もあり、とても不振だったそうですが、その後じわじわと、様々に影響を与えているあたり、やっぱり本質をもつものなのだと思います。 建築でも同じで、ハリウッド的な建築は分かりやすいし、目に留まりやすいですが、本質を追い求めてつくった建築は、一見ぱっとしませんが、じわじわとその評価はされてゆくのだと思います。 まあ古い映画なので、今更内容を触れることもないですが、やっぱり強く念じてつくられたものは、年月を経ても、何か伝わるものがありますね。
by Moriyasu_Hase
| 2008-02-20 22:53
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