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アラブエクスプレス展など

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少し前に新建築で槇さんが触れていて、面白そうだと行ってみました。
というか、アラブって私たちは知らなすぎる世界、というか表面的な断片的な事は見聞きしていても、彼らが何を考え何を伝えようとしているのかとかは、僕らが巻き込まれてしまっている西欧のキリスト教文化圏に染められてしまっているので、分かろうともして来なかったんじゃないかと思います。
という意味で、面白そうだな、行ってみたいなと。
結果、確かに良くわからん!とい面が多々ありましたwけれど、だからこそ接してみて良かったなと。
相手が特殊に見えるということは、つまりは、相手からしたらこちらが同じ位特殊に見えているはずだし、つまり、僕らもよっぽど変なんだ、という事に気付くだけでも大変な価値だと思ったりします。

あと、久々に上野にゆき、谷口吉生さんの法隆寺宝物殿などにとても久々に行きましたが、ロビーからエントランス横の水盤を見てゆっくりしながら、小鳥が水浴びし、向こうに豊かな緑が見え、とても心が安らぎましたが、僕もそういう質のものを目指しているつもりだけど、あのサイズの建築で、間が抜けずにその質が生み出せているのは、本当にさすが谷口建築だ!という感じでした。

改装された東京駅がライトアップされているのを見ながら夕食をとったり、楽しい一日でした。
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by Moriyasu_Hase | 2012-10-22 19:05 | みるーよむーかんがえる

社会は変えられる?

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2日で10数時間電車に乗っていたので、持参した分厚い文庫本も読み終わっちゃったので買いました。
ニューヨークのオキュパイ、ウォール街占拠デモ、エジプト革命、そして日本でも反原発デモ(これは成果が出ているとは言えないだろうけど)、と近年社会の変革を目指した様々な動きが出て来ている中で、「こうすれば、きっと『社会』は変えられる!」という特集。
日本ではあんな惨事が起ってもどうも結局社会は変わらないように見えるけど、そして僕もちょっとした活動を通じて社会を変えたいとは思っているけれど、どうにも糸口が掴めない気がしてずっと考えては来たんだけど、本書で少し腑に落ちた文章がありました。

「そもそも代議制は、民主主義とは関係ありません。ルソーによれば、代議制は封建制の産物です。地域の有力者や貴族等、社会集団の代表とされる人々に政治を任せるシステムですから。
代議制民主主義は、この100年ほど支配的だった制度に過ぎませんし、最初から「選挙による貴族制」だという批判が多かった。ですから庶民にとって『政治が遠い』のは当然です。それでも経済が好調の間は、政治には無関心で済みましたが、いまやそれじゃ済まなくなりました。」

問題はここにあり、解決法もここにあるんだと思います。
今の議員で、「べき」論を語り、身を犠牲にしてまで働く方がいるとは思えませんが本来そうでなければ議員なんて不要だし、むしろ有害でしかないんじゃないかとずっと思っていました。

もうひとつ
「もっと多くの人が参加できる民主主義が必要。外から要求するだけではダメなんです」

もちろん代議制を破棄する事はできないでしょうけれど、もっと様々な形で参加できる政治と、それをサポートする議員、というのがあるべき姿じゃないかなと思います。
今はその逆。いかに参加させないかという行政側と、票(人気)を追い求めるだけの議員。

少し自分なりに頭の整理ができました。って読んで頂いている皆さん済みませんw
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by Moriyasu_Hase | 2012-10-15 18:41 | みるーよむーかんがえる

大分の上棟から長崎へ

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大分の住宅が上棟でした。例?の水上地鎮祭から3ヶ月。工期はあるので結局木造はプレカットでなく手加工でやって頂いていいます。予算と工期さえあれば今でも出来る大工(というか加工場もないとダメ)も多少はいるのですが、そのどちらの面でもなかなか採用できず、結果出来る大工もより減ってしまうという悪循環をなんとかしたいとの思いもあるので、嬉しいことです。やって頂いている工務店さんも社長がもともと大工なので営業や利益よりより良いものをつくりたいというのが第一なようで、話していてもとても楽しいし勉強になります。進捗はまたアップします。
で、今回の一足延ばして,は長崎にしよう!と思ったものの実は大分からはそれなりに遠く、上棟式後電車に飛び乗り、着も随分遅くなってしまいましたが、ホテルも古いけれど雰囲気の良いホテルで良かったです。
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起きてまずは近くのグラバー園へ。この旧グラバー邸は1863年に建てられたそうですが、彼は21歳の開港と同時に来日しグラバー商会を設立したそうですが、そう、長崎ってそんな新しい文化が生まれ育ったところでもあり、また電車で行くと到着地(次の都市がない)なんですね。浜松なんて単なる通過地点というか、だから交通の便が良いから産業は発達するものの、どこにでもある街並みになってしまっている事と対比すると、この長崎がとても興味深く思えました。
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長崎孔子廟中国歴代博物館、ですが最初笑えそうになったというか、この写真見て頂ければ分かると思いますがw
でもこれは1893年に建てられたそうで良く見ればとても良く出来ているし、展示されていた品々も素晴らしかったし、当たり前だけど中国の歴史の重たさを実感させられました。
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長崎港の向こうに長崎県美術館。入りましたがいつものように隈さん(と日本設計の設計ですが)の軽薄な建築は好きになれないので行かなければいいのにと言われそうですが沢山されていて有るから仕方ないのですw石のルーバー、、、どう考えても必然性が感じられない。石でルーバーをつくるなんて。
でもこの港周りは高松伸さんなどのフェリーターミナルもありというかイベントをやっていたりジョギングをしていたりとても良い場所でした。
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親和銀行大波止支店1963年白井晟一設計。質素な目立たない建築ですが白井さんらしさは感じられます。庇と円弧を描いた高層部分の離し方とかボリュームとか、簡単に真似のできないことです。
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よっそぅと読むそうで創業140年だったっかな、元祖茶碗蒸しらしくあと蒸し寿司とのセットです。上品で美味しかったしなによりそんな歴史があることを羨ましく思います。と珍しく食ネタで。
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平和公園から原爆資料館に入り、展示を見ながら1人旅だから尚更ですが、色んな事を考えていました。そしてそれから原爆死没者追悼平和祈念館、栗生明設計、に入ったのですが、とても残念でした。
まず施設内が分かりにくく守衛さん?が来場者にルート案内などしているのだけど本来静かな気持で追悼の念を感じるため(それだけが目的のはず)なのに守衛さんがぶっきらぼうに案内なんてしていたらどうなんでしょう?あと本来一番大切な静寂な精神性を感じさせる建築かどうか?という意味でも残念ながら全くダメでした。というかそれができていないならこの施設は不要ですよね?図書館のデザインが悪いとかはまあ仕方ないとしてもここは追悼の念を起こさせないのなら本がない図書館と同じだと思うのです。
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二十六聖人殉教記念館1962年今井兼次設計。隣のガウディ風の聖堂はそれほど惹かれませんでしたが、この記念館の内部、これは本当に良かった(撮影禁止なのでアップはしません。え??)名前の通りのキリスト教の苦難の歴史や人々を伝える施設ですがキリスト教云々よりも、広い意味での信心というものの重たさや大切さを感じるには十分でしたし、そのための建築としてはとても質素なんだけどまだ100年経っても価値を保ち続ける建築だと、とても良かったです。
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ラストは親和銀行本店1967年-白井晟一設計。長崎市から佐世保まで結構あるのですが、これは必ず見ておかねばという事で朝から歩き回って時間を無理矢理つくった感じですが、もちろん写真では何度も見てはいてもわざわざ行って本当に良かったと思いました。この反対面はアーケードで実はそちら側のファサード(全く違う意匠です)は良く見えないのはそれこそアーケードを撤去して欲しい!と思うくらいですしご覧の通りこちらも電線やらですが、この存在の強さは全く動じないように見えます。恐らく現代建築たちだったらすぐに動じているところだと。
白井さん、何がどう凄いんだろう?建築の本流とは全く違った、哲学や内面から生まれている彼の意匠というのは、つまり歴史や流行りや機能や、そんな様々な普通だと囚われてしまうものから自由であり、でもそれだと現代建築でもそこまでは満たすものはそれなりにあるように思われるけれど何かが大きく違う。何だろう??と考えて、更にもうひとつ未来というかこれからの時間の経過から自由だ、というか逆に言うと現代建築は今後の時間のながれの中で汚れ、割れ、朽ちてゆく様が見えてしまうけれど白井建築にはピラミッド(もちろん朽ちて行ってはいるけど)が持っているような遠い未来に対しての強度どいうのも併せ持っている、そこが大きな違いなのではないかと改めて感じました。

また、長崎という都市は山と海に囲まれ、こじんまりとした場所(というか平地が少ない)にそんな深い歴史や自然が沢山あり、交通的にも端っこにある不便さが良い方に働いて、とても好きな場所でした。一言で現すと「親密」というか、様々な要素があるんだけど大都市のような冷たさではなく、喩えると小さい部屋に色んなキャラの親戚一同が集まって、それもおじいちゃんが外国人、みたいなw。良くわからんか。。
というわけで足腰が痛いですw
長崎土産はクジラのベーコン、さえずり、すえひろのブロック。ちょっと楽しみです。
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by Moriyasu_Hase | 2012-10-15 11:41 | けんちくーみる

現場ふたつ

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上棟からしばらく経ちますがガレージの屋根がやっと付いて、少し完成のイメージができるようになりました。
どうやらこの屋根は人目を引くらしく大工さんたちも楽しそうに話してました。
妻(三角)面を正面に見せるというのは今までそれほどやって来なかったのですが、次の写真のほうのも含め、たまたまですが玄関側に2階と平屋の妻面が寄り添うという形になりました。
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こちらは少し先行しているので左官の下塗まで進み、より雰囲気が出て来ました。
2階と平屋が45度でぶつかっているのですが、建物の外観をつくるにあたって、まずは単純なすっきりと緊張感のあるボリュームで構成できないかを考え、1部2階などそうは行かなくなってしまうときにはその2つのボリュームをそれぞれ緊張感のあるボリュームとした上でその接し方にもなにか馴れ合わないような緊張感を持たせたいと思いつつ設計をしています。
伝わりにくい内容かもしれませんが、僕の中では最も重要な設計をするための原理的なものかもしれません。
逆の方のたとえをすると、ある動物などの生命体というのは完結した美しさを持つけれど、大きなコブのようなものを付け足した途端に美しくないというか気持悪くさえなりますよね。でもそんな建物も世の中には溢れ返っていますが、それではいけないのだと思っています。
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by Moriyasu_Hase | 2012-10-12 15:42 | けんちくーしごと

新建築10月

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「ドナルド・マクドナルドハウスは病院の付属施設、主に難病を抱えたお子さんをお持ちの家族のために病院(東大病院)の側につくられる宿泊施設」で、企業からの寄付金によって運営されているそうです。本当に困っている方には本当に助かるんでしょうし、そんな不安な精神状況の中、少しでも良い、心鎮まる環境で過ごせるというのはとても大切なことなんでしょうね。
横河健さんの設計はとても端正につくられていて好きではあるのですが、少し糊の利き過ぎたシャツというか、特に住宅や小規模な、ゆったりとしたい用途の建築においては、少し固すぎるように感じることもあります。

それよりも横河さんはこの仕事に関われたことをとても幸せに感じつつも「残念だったのは、この建物の開所式、竣工式である。建築の竣工式であるにもかかわらず建築のケの字も無ければ施設の説明も冴えてもらえないという有様。最後になって感謝状贈呈、、、と建築の中身と関係なく、全くの業者扱いが普通なのだろうか?」という、そしてそれが「普通」というか日本においては常識であること自体が、作品の質云々を語るよりも一番問題なのだ、ということをたまに語られはしても、大きな声にしない、できない、というのが体質として大問題なんだと、昔から思っています。

それなりに有名な建築家になれば、そんなこと言わなくても良くなってしまうし、それほど有名でもない建築家/設計者がそんなこと大声で言っても誰も相手にしない。からでしょうか。

今月号は医療福祉特集だったようで、多くの建築家のコメントが寄せられていて、ほとんど病院などやってきていない建築家は、病んでいる時だからこそ心が満たされるような場にすべきだ、と言い、組織設計など病院を手がける方は、効率やら時代やらにいかに対応するかを言い、つまり本当は前者がとても大切なんだけど実際設計者となるやいなや、後者の考えに染まらざるを得ない、だから「業者扱い」を抜けられないのかもしれないな、とも思いました。つまり建築というのは数値化できない質を形にするという、設計の思想こそが何よりも大切だということが社会的に理解されていないというか。。

最後に、東日本震災の津波で立ち枯れた巨木をつかったあさひ幼稚園ー手塚建築研究所設計、が完成したようで、上部構造のとても力強いというか強すぎる面を、全面を階段として基壇をつくってバランスをとった外観はさすがだな、と感心しましたが、内部の梁に集成材が使われているのをみて、ちょっと唖然としました。ちょと貼れる画像はなったのですが、ムクの太い柱との対比ですごく残念に見えるのは私だけだろうか??
理由は推測できますが、それを乗り越えるべきプロジェクトだったように思いました。
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by Moriyasu_Hase | 2012-10-03 11:07 | けんちくーよむ